金融工学―経済学入門シリーズ (日経文庫)
| タイトル | 金融工学―経済学入門シリーズ (日経文庫) |
| 著者 | 木島 正明 |
| 出版社 | 日本経済新聞社 |
| 価格 | 903円 |
| 発送可能日 | 通常24時間以内に発送 |
本当に見事な解説
レビュー日:2006-04-14 評価:★★★★★
数学の難解さを最小限に留めて、金融工学のエッセンスと醍醐味を伝授してくれる素晴らしい教科書。
この価格でこの内容は信じられない程のパフォーマンスの良さです。
理工系の人は読み物としても読めると思いますが、ファイナンスを学びたいとけれど数学は苦手という方は、教科書として扱うべきだと思います。そもそも、金融工学は、経済の「数理モデル」を基にした「工学的アプローチ」であるということから、ある程度の数学記述は避けられません。
また、この教科書を出発点として、より高度な専門書を読んでいけば効率的に学習が進むでしょう。
英語ではファイナンシャル・エンジニアリング
レビュー日:2005-05-12 評価:★★★★☆
「金融工学」という字を見たとき私は、「金」を溶かす「王水」の研究をする学問と思っていました。英語ではファイナンシャル・エンジニアリングというとのこと。これでお金の話だとやっとわかりました。範囲の広い学問のようでこの本では「デリバティブ」を中心に解説されています。特にこの本は、昔見て今は意味もわからない数学の記号がたくさん出てきます。わたしは、飛ばし読みしました。だからその部分は理解し切れていませんが、文章の部分は平易でわかりやすく全体像はつかめた気になっています。また、多くのコラムがちりばめられていて金融の雑学を知るにはうってつけです。この取引の基本は「キャッシュフロー(お金の出入り)」と「その現在価値(今の金額価値に直すといくらになるか)」の2点です。
噛めば味が出る本です
レビュー日:2004-01-28 評価:★★★★☆
金融工学を始めて勉強するには確かに良い本です。じっくり考えながら何度も読んでるうちに段々理解が深まり、さらに金融工学に対する興味が湧いてくると思います。ただしやはり微分積分・確率についてある程度素養がないとしんどいでしょう。本書のまえがきにあるような「文系出身者が数学を学びながら金融工学を理解する」ための本ではないような気がします。
かなりいい!
レビュー日:2003-04-26 評価:★★★★★
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良書です!
レビュー日:2003-01-23 評価:★★★★★
金融工学について最初に学ぶのはこの本が最適でしょう。基本事項をコンパクトにかつ丁寧にまとめてありますので、金融工学のエッセンスを手軽に理解できます。特にこのサイズでブラウン運動や確率微分方程式にまで触れているのには驚きました。(しかもわかりやすい!)ただし読むための条件として大学初年度レベルの確率論に精通している必要があります。確率論の知識がある方はこの本が簡単に読める思いますが、ない方はかなりきついと思います。私の場合は確率論をちょうど勉強していたから難なく読めましたが、勉強する前だったらと思うとぞっとします。
NHKスペシャル マネー革命〈第2巻〉金融工学の旗手たち (NHKスペシャル)
| タイトル | NHKスペシャル マネー革命〈第2巻〉金融工学の旗手たち (NHKスペシャル) |
| 著者 | 相田 洋,茂田 喜郎 |
| 出版社 | 日本放送出版協会 |
| 価格 | 1575円 |
良書です。
レビュー日:2006-03-01 評価:★★★★★
第1巻に引き続き、ハリー・マーコビッツ、フィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズなど、金融工学の世界では
権威と言っていい人たちへのインタビュー満載の内容になっていて、これだけでも十分読む価値があると思う。
ただ、インタビューする側のNHK取材陣の発言(意見)はほとんどなく、一方的に話しを聞く形になってしまっているので、
インタビュアーとしてのレベルが低いのでは思ってしまう。せっかく今回の取材にあたり、勉強会など開いて金融について
学ばれていたのだから、もう少し自分たちの意見を相手にぶつけてみてもよかったのではないかと思う。
とは言いつつも、これだけの著名人へのインタビューを集めた本はそうそうないと思うので、
そういう意味では第1巻同様、良書と言っていいと思う。
深遠な金融業界に迫る!
レビュー日:2005-07-02 評価:★★★★★
驚愕の金融世界を紹介するドキュメンタリーの第2弾! 第一弾に引き続き、今度は金融世界で誕生した理論の紹介やそこに生きる人々のドラマをさらにクローズアップする。 シカゴで通貨の先物取引市場が誕生・発展した背景をドラマティックに描き、ノーベル経済学賞受賞者が参加するドリームチーム・LTCMを紹介する。 そして、ノーベル賞受賞の決定打となったブラック・ショールズ理論は、日本の数学者が戦中に考案した「伊藤の定理」が重要な基礎になっていることを最後に教えてくれる。その定理の発見者である伊藤清が東大理学部数学科を卒業し、当時の統計局(現在の統計数理研究所)で勤務の傍ら、自費をはたいてドイツの潜水艦で運ばれた論文と格闘した逸話を本人へのインタビューから紹介する。 金融工学が経済学や数学といった様々な分野の複合的な成果であることが少しづつ明らかになる。
「金融工学」に触れる
レビュー日:2004-11-13 評価:★★★★★
金融工学ってとっつきにくさから、あるいはその複雑さからよく槍玉に会う。あるいはスケープゴートにさえなる。しかし、この本を読めばそういう誤解も少しは解けるのではないだろうか?この本は金融工学を賞賛した本ではない。むしろ、金融工学を駆使した人の栄光と挫折が描かれ、その限界を詳細に示している。しかし、金融工学がもたらすことを過大評価していないし、また、金融工学が全く役に立たない、あるいは魔物である、みたいな事実無根のイメージ論も書いていない。ただ、ありのまま金融工学を描き、それがゆえに、LTCM等の破綻が描かれながらも読者は、金融工学についての正しい知識を深め、未知から来る根拠の無い恐怖心はなくなるのではないだろうか。そういう本は実は少ない。わけが分からないことに関して、その内情をじっくり知り、どういう可能性、パワーを持っているのか(事実、LTCMは空前の利益を当初計上していた。)そして同時に、どのような限界があるのか(事実、LTCMは吹っ飛んでしまった。)それを正しく学べる点で、この本はすばらしい。ぜひ読むべきだ。
非常にエキサイティングな一冊です!
レビュー日:2004-11-09 評価:★★★★★
恐らく現代の金融ビジネスの最先端を理解する上で本書ほどうってつけの本は無いであろう。特にこのマネー革命(2)は、ブラックショールズ理論やMM理論など現代の金融工学で必須と言われる理論を、それを開発した世界トップの経済学者へのインタビューなどを交えながら解説するあたり最高の教材といえる。ちなみに本書のNHK取材陣は全員が金融工学の素人で、彼ら自身必死で学びながらこの番組が出来たという。そういう彼らだからこそ、これだけ分かりやすい本が出来上がったのだろう。また本書は、金融関係者は言うまでもなくメーカーやサービス業に従事されている方、家庭の主婦、学生などの方達が現代社会を金融(工学)という切り口で見、最先端の金融ビジネスを身近に感じることができる最適の本だと思う。
シリーズ3巻のうち2巻が一番おもしろい
レビュー日:2004-08-14 評価:★★★★☆
金融に興味がある人は、あっという間に読み終わってしまうでしょう。ノーベル経済学賞を受賞したマーコビッツやシャープ、ミラー、ショールズ、マートン、サミュエルソンまで談話があり、彼らの人柄がわかる気がする。また、マネー革命を全部読めば、ヘッジファンドや金融工学とは何かがわかると思います。
ニュージーランド財産防衛計画
| タイトル | ニュージーランド財産防衛計画 |
| 著者 | 浅井 隆,戦略経済研究所21 |
| 出版社 | 第二海援隊 |
| 価格 | 1470円 |
| 発送可能日 | 通常24時間以内に発送 |
日本破産なんてあり得ますか?
レビュー日:2007-02-01 評価:★★★★☆
彼の本はずっとよんでますが、随分当たってましたが、
国家破産には、大いに疑問符が付くと思います。
日本が破綻寸前の借金1100兆円と言われてます。
対外国でなく、国内でお金がグルグル回ってるか、
大企業の大幅黒字、富裕層の貯金、海外投資のどれかで、
お金は蒸発したんじゃなくて、日本人の誰かのところに
そっくり移って滞留してるだけでしょ。
対外資産世界一位。外貨準備高世界第二位。
常に経常収支黒字国。
その上、日本の個人金融資産1400兆円。
持ってる人は、20年ぐらいでもお迎え近い人ばっかりです。
三代相続すれば、国に召し上げられて資産がゼロ近くになり、
富裕層でなくなる超平等な擬似社会主義国の、
この日本で、国家破産するでしょうか。
政府が相続税率をちょっとだけ改定すれば、
一代で国の借金なくなっちゃいますけど・・・。
国家破綻を煽る、有名な宗教団体の会長と同じ
ペンネームの「浅井」に変更してまで、このような本
を書く目的は何なのでしょうか。
本名「関 喜良」さん、その前は広瀬隆さんでした。
海外投資も結局は原資がいります
レビュー日:2007-01-30 評価:★★★☆☆
最近の日経ビジネスにも多くのジャパン・マネーが海外投資に向けられている実態が記載されていましたが、ニュージーランドも代表例の一つとして載っていました。確かに銀行の定期預金で7%つくというのはものすごく魅力的である。NZドルと円との為替レートの動向は不透明ではあるが、それにしても中長期的に資金を投入するのには魅力的な投資先の一つだとは思った。本書は全般にわたってニュージーランドの魅力を解説しているとともに、具体的な投資プランも提示しているところがよい。実際本書を読んで、投資するしないにかかわらず早く一度行ってみたいなと感じた。なかなかニュージーランドに関する書籍も少ない中、貴重な本だといえよう。
一方で、気になった点は2つ。1点目は、所詮海外投資をするにしても原資が必要なわけで、当面十分な原資がない人はがんばってお金をためてくださいということなんだろうな、ということ(そもそも本書はそういう人は対象読者層としていないだろうが)。2点目は、投資の基本はリスク分散で、その意味ではニュージーランドだけで運用するのではなく、たとえば中国とインドも含めるなど、グローバル・ポートフォリオの中でのニュージーランドの位置づけについても知りたかった。中国、インドと比べても手堅い投資先だよ、というような話とか。
いずれにせよ、いつまでも日本に固執した生活をしているのはどうかと思うし、日本人による「足の投票」(国外脱出)、キャピタル・フライト(資本の国外逃避)を通じて日本の政治家にもっと危機意識を感じてもらいたいですね。
ニュージーランド良いとこ取り
レビュー日:2006-12-29 評価:★★★★☆
ニュージーランドに関してかなり詳しく調査した上で書いた本だな、
というのがわかります。内容はざくっと述べると以下の2つ。
(1) 「ニュージーランドは素晴らしい国だ!」
(2) 「財産防衛にはニュージーランドドルが良い!」
将来、海外移住をお考えの方、又は、日本の財政危機を不安に感じており、
財産防衛を外貨(預金・ファンド等)で、とお考えの方にはお勧めです。
ただ、著者は相当思い入れを込めて書いていますので、「ほんまかいな?」
と思う部分もところどころにあります。(少なくとも私はそう感じました)
真剣に移住や投資をお考えの方は是非、本の内容だけを鵜呑みにせずに
一度、現地に行かれることをお勧めします。
リスク分散
レビュー日:2006-12-24 評価:★★★☆☆
もはや日本円だけに資産を偏らせているのは危険だよ、という意見は本書以外にもある。日本経済が強かったころはさておき、確かにもはや安全ではないのだろう。どう考えても破産しているとしか思えない日本国。破綻するにしろ、ハイパーインフレになるにしろ、日本円で資産を持っているのは非常に危険である。
だから海外に分散投資しよう。という意見は良くわかる。しかし、普通はUSドルとユーロに投資するだろう。
それをニュージーランドに投資せよ、というのがこの本のユニークなところ。
さらには投資だけでなく、永久ビザを取得して移住しちゃえ、という話まで出てくる。確かに英語さえ堪能なら住んでみたい気はする。せめて一度旅行してみたいと思わされる。
投資ガイドであると同時に観光ガイドにもなっているところが面白い。
しかしニュージーランドもまったく問題がないわけではないだろう。いい面ばかり強調しているところがちょっとひっかかるのも事実。
運用シミュレーションで、例えば「2倍の円安になった場合」はあるのに、その逆のケースは載せていない。
要は、第二海援隊のビジネスの一環に過ぎないのではないか?という疑心暗鬼が沸き起こるのも事実。
とはいえ、普通ではなかなか得られない情報が記載されているのも事実。
自己責任で読んで解釈してください。
面白いと思えたら、あなたは好奇心一杯
レビュー日:2006-12-19 評価:★★★★☆
題名はおどろおどろしいが、内容はニュージーランドへの資産分散のお勧め話。同国の政治経済、市民生活が語られ、留学や永住ビザ取得方法といった旅行ガイドが前半。後半は預金金利や不動産、ファンド等、余裕資金に応じた資産運用のシミュレーションと解説。既に富裕層は資産逃避を終え、これからという小金持ちや成金向けにもコンパクトすぎてやや物足りないかも。先立つものが無い高級サラリーマン層が手にして、焦りを募らせるには持って来い。題名や流し読みで馬鹿にする向きもあろうが、海外資産運用は今後必須科目だ。手ほどきとしては良く出来ており、紹介されたニュージーランドの不動産屋サイトと「三井のリハウス」を比べるだけでも勉強になる。
ナニワ金融道 (9)
| タイトル | ナニワ金融道 (9) |
| 著者 | 青木 雄二 |
| 出版社 | 講談社 |
| 価格 | 683円 |
| 発送可能日 | 通常24時間以内に発送 |
人生の参考書
レビュー日:2005-12-21 評価:★★★★☆
カネとそれにまつわる汚い世界は、見たく無いと思う人も多いのかもしれないけど、厳としてある現実です。
年間3万人にも及ぶ自殺者の、カネが原因の人はどれくらいでしょうか?
また、振り込め詐欺などの被害は数百億円に及ぶという。
資本主義社会で労働者であるということは、カネに尻を叩かれ人参を目の前にぶら下げられている、ということでもある。
性善説で無邪気に生きたいと思うのは自由であり、理想かもしれませんが、確信的悪意で人を騙したり利用したり人は必ずいます、それも少ない数ではないでしょう。
そういう現実を知るためにつまり現代日本で生きるために、本書のシリーズは、非常に貴重な参考書であります。
親と子にこそ読んでもらいたいと思います。
評価は4.5くらいですが、中間がないので4としました。
勉強になった
レビュー日:2004-02-06 評価:★★★★★
この作品は、社会を偏る事無く冷静に見つめている。社会勉強したい人にはおススメ
ラブホテルは今日も満室!
| タイトル | ラブホテルは今日も満室! |
| 著者 | 山村 剛人 |
| 出版社 | ゴマブックス |
| 価格 | 1365円 |
オルタナティブ投資としておもしろい
レビュー日:2006-05-27 評価:★★★★☆
実際にホテルファンドに投資しています。
ホテルの収支等の情報開示やホテルリニューアルの内覧会等の現地見学もあって、おもしろいですね。
引き続き投資金額を増やしていこうと思っています。
この本はその入り口として参考になりました。
宣伝色強いが、商品としての可能性は感じる
レビュー日:2005-10-01 評価:★★★☆☆
著者の名前をインターネットで検索してもヒットせず、また、本にある著者紹介も抽象的で、どんな人が書いたのかよくわからない点はちょっと疑問。また、全般にファンドの宣伝色が濃い(というか、そういう本)。 ただし、ラブホテルが収益率が高く、また参入障壁もある点、イメージ的にどんな企業でも取り組めるということでもないといった点は「投資」の視点からはなかなか面白い対象となるということは感じられる。即、このファンドに投資するかどうかは別として、考え方としてはなかなか面白い点があると感じた。
事業再生ファンド
| タイトル | 事業再生ファンド |
| 著者 | 和田 勉 |
| 出版社 | ダイヤモンド社 |
| 価格 | 1680円 |
| 発送可能日 | 通常24時間以内に発送 |
非常に理解しやすい本
レビュー日:2006-09-17 評価:★★★★☆
事業再生ファンドの種類や特徴が具体例を出しながら書かれているので、金融の知識が少ない私には、非常にわかりやすかったです。
一時期、外資系ファンドはハゲタカファンドと言われていましたが、この本を読めば外資ファンドにも色々あることがわかり、偏見が取り除かれると思います。
ただ、どのファンドも新しいので出てくる投資先がまだ再建途中のものばかりで、ファンドの失敗例とその理由があればなおよかったです。
再生ファンドの概要を知る上で非常に有用
レビュー日:2006-05-07 評価:★★★★★
本書はジャーナリストである和田勉氏により著されていることから、読者を意識した明快な文章で事業再生ファンドの概要、個別のファンドの性質・行動事例が説明されている。金融関連の本には、説明対象となるテーマについて若干難解な数式や専門用語を用いたものが多いように思われるが、本書は一般向けの雑誌に掲載された文章の編集版であるということもあり、容易に読めるうえ、ストーリーや事実も記憶に残りやすい。基礎知識として事業再生ファンドの概要を把握する場合、本書は非常に有用であるといえる。
事業再生ファンドってそういうもんだったのね
レビュー日:2005-02-28 評価:★★★★★
ど素人の私にも分かり易い内容で、楽しめました。事業再生ファンドとかって、ダイエー再建とかで世間を騒がせているような・・・。でも、いったい何?たまに新聞を賑わすことはあっても、正直なところよくわからないものでしたが、今更聞けないし、聞いても知ってそうな人もいないし・・・。というような私がこの本にめぐり合い。雲が晴れた気分です。文社から、「買収ファンド」「再生ファンド」という新書が出てますので、その順に読んで、それからこの本を読むことをお勧めします。本書の著者は、経済記者で、事業再生ファンドについても素人だったようなので、ひょっとして私とレベルが同じくらいなのかもしれないが、その記者が徐々に取材を通じて成長しているようで面白い。
ためになりました。
レビュー日:2005-02-20 評価:★★★★★
日経新聞などで盛んに報道されている事業再生ファンドですが、この本を読み、その機能などを知ることができました。ハゲタカファンドなどと呼ばれていたことから、イメージが悪かったのですが、ただ知らなさすぎたんですね。
地域再生の重要性と深刻さを知る
レビュー日:2004-09-16 評価:★★★★☆
2章の「動き出した地域再生ファンド」こそが、これからの日本経済を考えると、最も重要な内容だ。「地方版の再生機構」としての「中小企業再生支援協議会」が社会問題になる可能性を指摘している。これについて、他のマスコミではあまり報道していないだけに(2004年初めに「金融財政事情」で扱っていたようだが)、著者の取材力と洞察は鋭い。その指摘が当たらないことを願うが、いずれにしても、ダイエーなどを除けば、今日の事業再生では主戦場は地方にある。 ビジネスのタネもそこにあるはずだ。 巻末の一覧表は、役に立つ(ただし、ゴールドマンサックスと元ファーストリテイリング副社長の沢田氏が運営するファンドが抜けているが)。
告白 (文春文庫)
| タイトル | 告白 (文春文庫) |
| 著者 | 井口 俊英 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 価格 | 580円 |
| 発送可能日 | 通常24時間以内に発送 |
反面教師として役に立つ
レビュー日:2007-08-14 評価:★★★★☆
著者がどのような取引を行って巨額損失を出すに至ったかを知りたくて読みました。
取引の内容が比較的詳しく語られており、参考になりました。
事件の発覚から結審にいたるまでの人間模様もリアルに描かれており、興味深く読めます。
他のレビューでも指摘されているように、著者は加害者意識が希薄であり、(というよりむしろ被害者意識すらもっており、)
単に自分の損失を隠すために無断取引を重ねたにもかかわらず、「会社のためにやったのになんで訴えられるのか」と
会社に復讐心を燃やしています。
こうして自己を正当化してしまう心理・考え方も反面教師として役立ちそうです。
文章は読みやすく、さらっと読める本だと思います。
何が正気で何が狂気か
レビュー日:2006-12-09 評価:★★★★★
今までの実績からすれば取るに足りない数千ドルの損失、しかしその月の達成数字は報告済みでありそれをいまさら減額修正して報告することは出来ない・・・そして彼はポイントゲッターでありながら管理者でもあった・・・全てはここから始まるのですが、(利益獲得部隊と監督権限が兼務されてることを除けば)極めて有りがちなシチュエーション。スケールの違いは歴然ですが要求数字と報告数字と着地数字の帳尻を合わすことを生業にする営業職サラリーマンとしては、、、、、、、身につまされ過ぎる、、、、。そう思わざるを得ない様に構成メンバーを仕向けてる企業組織が異常、というのは簡単ですが状態化してれば当人に取ってはそれは「日常」。シビアな競争にさらされ、企業としてそのような緊張を強いた方が(幸運にもこんな事態が発生しなければ)より生産効率が上げられると考え、殆どの組織が似たような状況を程度の差こそあれ内包してるならば、そんな会社は(新聞沙汰にならない限り)「通常」。この本に描かれてる恐怖はあなたの、わたしの日常業務は果たして端から見たとき通常と言えるのか?という疑問を投げかけます。そして私は思います、「異常」としらふで思っていても酔っぱらったフリして踊っている、または踊らざるを得ないという人は結構いると。そんな人にご推薦します。
狂気の本
レビュー日:2005-12-03 評価:★★★★☆
これは狂気の本です。
この本を読んで、管理体制がどうとか、損切がどうとか言うのはこの本の本質を捉えていません。そういったことに関して、この本は二流です。
この本が凄いのは、罪悪感や謙虚さの欠如から漏れ出る狂気が、著者が図らずも記してしまったと思われる狂気が表されている点です。
信じられますか? この男は自分に自制心があったからこそ損失を30億ドルで止められたのだと、この期に及んで自分を称えています。そもそもの原因は業務でもなんでもない、無断取引を自分が勝手に始めたからなのに、それにも関わらず、です。
本当の狂気がここにあります。ぜひ一読ください。
ちなみに、星が五つでないのは、文章の下手さゆえの−1。
大和銀行巨額損失事件を克明にエキサイティングに記述
レビュー日:2004-11-02 評価:★★★★☆
1995年米国でおきた大和銀行の現地採用、辣腕トレーダー井口氏の起こした巨額損失、裏帳簿の不正会計事件。大和銀行は井口氏を見放し、米国は井口氏を逮捕、実刑。刑務所暮しを過ごし、出所後に本書を書き下ろす。裏帳簿操作や警察や裁判での綿密な実証を経た故か、本書の記述は極めてリアルでエキサイティングである。この事件から10年近くたち、エンロンもワールドコム?も不正会計事件を起こしている事を考えると、トーレーディングだけがこの種の事件の温床でもなさそうだ。昨今では企業のCSRが盛んになってきたが、不正チェックのしくみのメリットの反面、管理社会の不自由さを感じる。本書を読み、著者が自分の犯した事件に対して自己反省の念を感じないのが、不思議に感じた。会社から事件の責任を一切押しつけられた禍根が無言の意思表現なのかもしれない。文章は文筆家とは思えないほどうまい。
管理職になる人は読むべき
レビュー日:2004-09-21 評価:★★★★★
管理職になる人、特にトップマネジメントになる人は、この本は必ず読むべき本である。著者は、大和銀行巨額損失事件と使い込む事件の犯人である。こういった事件もの本で、犯人が書いたものは、たいていついついやってしまったというようなお決まりものにありがちであるが、この本に関しても同様な流れである。しかし、他の本と大きく違うのは、具体的かつ詳細にその泥沼に陥っていった過程が書いてあることである。著者が事件の告白を行った後、銀行に守られるような錯覚に陥っていた記述に関しては無性に腹が立つものの、実際にこのような立場に陥った人間ならばこのような反応するのは普通のことであろう。となった場合、企業はこのような事態を避けるべく行動しなければならない。もちろん事件を起こさないように構造考えて行くのが当然のことであるが、事件はどのように注意していたとしても、起こりうるものであり、その後の対処の仕方によっては市場や監督官庁が持つイメージを大きく変わることが可能である。残念ながら、大和銀行の場合には現状把握に関して非常に甘い見通しを持っており、監査人も職業意識非常に乏しいものであったと言わざるを得ない。自分の部下を信頼するということと、任せきり、丸投げするということが違うということをトップは充分に理解しなければならない。